Guitar : 千聖(PENICILLIN)

ーーAcid Black Cherryとは、デビューの時のフリーライブや「SPELL MAGIC」などのミュージックビデオからのお付き合いである千聖さんですが、千聖さんから見て、Acid Black Cherryってどんなプロジェクトに映ってますか?

千聖:それはかなり壮大な質問ですね(笑)。僕はABCを客観的に見たこともあるし、主観的に見たこともありますね。客観的には、この音楽シーンを牽引できる素晴らしいプロジェクトだなって思っています。そこがまず第一で、主観的にはすごくいろんなミュージシャンがこのプロジェクトを介して楽しめるんじゃないかと。プレイヤー同士が、音楽を通じて本当に楽しめるプロジェクトだと思います。

ーーその楽しさってどんなところだと思いますか?

千聖:ひとえに、yasuくんの雰囲気作りが上手なんでしょうね。気負いしないっていうか、良い意味ですごくすんなり中に入って行ける。ほんとにしばらく会ってなくても昨日会ったばっかりみたいな感覚で。すごくフレンドリーだけど、ライブやってる時やリハーサルの時は、きちんと緊張感もある。緊張と緩和の両方が綺麗なバランスであるんですよ。それが楽しいんですよね、ミュージシャンからすると。緊張しかないのもダメだろうし、緩和しかないのもダメだと思うんで。両方すごく綺麗に揃ってるのは、yasuくんの雰囲気作りあってこそなんだろうなって。

ーーなるほど。千聖さんは、ABCデビュー以前からもともとyasuさんとお知り合いだと思いますが、出会いっていつだったんですか?

千聖:共通の友達がいるんですけど、その人がお店をやっていて、そこが出会いですね。僕がただ、yasuくんと飲みたいってだけで、わざわざ来てもらったこともありましたね(笑)。別に深い意味もなく本当に「ただ一緒に飲みたかった」っていう、それしか理由がないんですよ。yasuくんも、「何で呼ばれたんだろう?」ってワケがわかんなかったでしょうね。ただ話したいだけだったんですけど、yasuくんがどんなボーカリストでっていうのもあんまり関係なく話をして。本当に何でもない世間話をしてました。Janne Da Arcのライブも何回か見させてもらったこともあったけど、ゆっくり話したのはその時かな。

ーー千聖さんから見て、yasuさんってどんな人ですか?

千聖:最初はすごくキャッチーな印象でしたね。僕に対して気を使ってくれてたのかも知れないですけど、すごく優しい青年だなって言うイメージ。関西の人だからかな、冗談を言っても綺麗な返しが返って来るし。「返しが上手いなー!」なんて思ってて。だから最初から、話もしやすかったですね。それからずっと後ですが、ABCを一緒にやらせてもらうことになった時に、yasuくんの仕事に対する姿勢が思いっきり見えたんです。仕事って言っちゃうと堅いのかも知れないけど、彼の価値観とか音楽に対する情熱とか、その徹底っぷりやこだわりにビックリしたんですよ。こだわりっていってもね、こだわりだけっていう人もいるんですけど、それを具現化できる人って言うのは結構少ないんですよね。yasuくんは何でも自分でやっちゃうタイプですよね。例えば、人を表す円グラフがあるとしたら、行動力が飛び抜けてるタイプだと思いますよ(笑)。とはいえ、ただ本能で生きてるだけではないんですよね。分析力も含め、すごくよく出来てる人だとも思います。そういう人って、僕からすると妙な癖が強い人が多いんですけど、yasuくんはそうじゃなく優しさも持ってる。みんなに平等ですからね。だからみんながyasuくんについてくるんですよ。彼は、リーダーになる資質っていうのを持ってるんですね。

ーー千聖さんが印象に残っている、yasuさんとのエピソードを伺ってもいいですか?

千聖:ABCをやらせてもらってから少し間があいて、yasuくんはたぶんその時、1stアルバムの制作してたのかな。その合間に、2人でご飯を食べに行ったことがあって。最初に話した一緒に飲んだ時から、だいぶ経っていたんですけど、彼は口調も何も変わってないんですよね。僕はyasuくんの仕事の徹底っぷりも見させてもらってるから、僕としての見方も変わって来てて、「カッコ良い仕事してるなぁ」って思ってたんですけど、彼はいい意味で何も変わらない。それこそ、2人で話したあの店の時と同じような感覚で。気持ちの切り替えも上手だし、そこら辺は見習うべきだなって思ったんですよね。それまで僕は、何でも適当なわりに自分本位でね。それがロックだ!的な感じで生きてたんで、そう言う意味でも勉強になりました。彼の姿勢を見て、もう一回自分を見つめ直そうって思って。だからね、僕はABCやる前とABCやった後では全体的に変化があったと思います、人生観が変わったというか。そこら辺まで影響されました。だから、仕事を一緒にやるのってすごく大事だなって思いましたね。そこはもう、彼の人間性あってこそなんですけど、本当によく出来た人間像ですよ。このブログを読んでいる皆さんがイメージしてる、カッコ良かったり冗談を言ってるyasuくんとあまり変わらないのかなとも思いますね。

ーーさて、千聖さんにはABCの作品であるミュージックビデオにも登場していただいてますが、ABCのミュージックビデオに参加した印象なんかもお伺いしたいなと。 

千聖:まず僕の場合は、「SPELL MAGIC」のミュージックビデオがABCとの最初の仕事だったんですよね。僕は、自分仕切りのPENICILLINやCrack6のことはたくさんやってたんですけど、他の現場の撮影をやったことがなかったんで、ぶっちゃけABCの現場が初めてだったんですよ。だから「いきなりハードル高いな」って(笑)。でも、最初のABCの初仕事だったんですごく思い出深いですよね。他のメンバーに会うのもすごく久しぶりだったし。淳士くんなんかは、ちゃんと話すのが15〜6年ぶりくらいだったのかな。お互い20代前半くらいに、ライブの打ち上げで軽く喋ったことがあったくらいだったから、すごく久しぶりでしたけど、フレンドリーな人なんですぐ打ち解けたし。SHUSEくんは前からよく話してたから大丈夫なんですけど(笑)。あと、AKIHIDEくんとはその時に初めて話したんですけど、すごくマイルドで温かかったですね。そして、それに加えてyasuくんが盛り上げてくれて。だからすごくすんなり入って行けたというかね。

ーーかなり長い時間の撮影でしたよね。

千聖:いわゆるMV撮影の現場って、PENICILLINの時もそうですけど、すごくハードなイメージがあって、僕は勝手に「他の現場はもっとラクなんじゃないか」って思ってたんですけど、やっぱり変わらなかったですね(笑)。皆さんも大変だったと思いますよ。徹夜でしたもんね。朝の7時に集合して、帰ったのが次の日の朝の7時っていう(笑)。でも、最後までyasuくんのテンションが変わってなかったのがすごいなって。

ーーその長丁場の最後のシーンでは、オタクもやっていただきましたね。

千聖:そう!最後はオタクでしたね(笑)。カッコ良いシーンを撮ったあとに、22時くらいからオタクのシーンで撮影が再開するっていう(笑)。夜を徹しての撮影でしたけど、あれは楽しかったですね。

ーー千聖さんにオタクをやっていただけるとは!と思いました。

千聖:役者な気分でしたね。あそこには、yasuくんなりのパロディや、ジョークっていうのが、きちんと混ざってるんだよねって思ってたから、すごい面白いなって。撮りながらも、早く完成が見たかったですよね。完成形はどうなるんだろうって興味がすごくありました。

ーーそして完成した作品をご覧になって、いかがでした?

千聖:ビックリしましたよ(笑)。yasuくんの中では、撮影しながら最終的な結果が見えているものがあったと思うんですけど、僕らは「どうなるんだろう」って思って楽しみにしてたから、「あ、こうなったんだ!」ってすごく面白かったです。編集されたのを見て、改めて良いなって思いましたね。

ーーそして、「冬の幻」では遺影になっていただいて・・・すみません。

千聖:あれはラクなPV撮影でしたね(笑)。でも本当に、半年くらいの関わりだったと思うんですけど、ものすごい濃かったですね。ABCとしてのデビューの前の冬くらいからかな?その辺りからずっとyasuくんとは、シークレットツアーの合間にも食事とか会ってくれてたんで、そこから考えると半年以上なんでしょうけど、すごく楽しかったですね。

ーー今回のアルバム「Lーエルー」に収録されている「Greed Greed Greed」のミュージックビデオにも、千聖さんがちらっと登場しています。

千聖:嬉しいですね。yasuくんは、すごくそういうところを大事にしてる人ですよね。

ーーでは、ABCのライブについてもお伺いしたいのですが、千聖さんが初めてABCのライブに参加していただいたのはデビューの時のフリーライブでしたね。

千聖:最初は大阪の野音でしたね。あの時の光景は、一生忘れないと思います。多分僕は、棺桶の中でも思い出すんでしょうね(笑)。ああいう面白いことが出来るっていうのが良いですね。やることなすことが新鮮で、それに加えて、ライブも5曲とか6曲だったと思うんですけど、曲が良いっていうのもあるんだろうな、弾いてて楽しかったんですよ。後の東京の代々木のフリーライブは、確かテレビでも流れましたよね。放送後に当時、個人で出演していたテレビ局の人にも「テレビ出てましたね」って言われて・・・他局なのに(笑)。とにかく、みんな注目してるんだなって思いました。当時のyasuくんからしたら、そのステージまでにシークレットツアーをやってきたから、ああいうデカいところでエネルギーが解放されたところもあるんでしょうね。ステージで弾いてて、淳士やSHUSEくんAKIHIDEくんからも、そのエネルギーを感じましたもんね。後になって、フリーライブの映像を見せてもらったんですけど、他にも当時のシークレットの映像も見させてもらって、本当にお客さんがいない完全なシークレットの状態でのライブだったんだっていうのを見て、色んな積み重ねをやってきたんだなって思いましたよ。だから本人たちはそれをすごく感じてたんじゃないかなって。僕は華々しいところから参加させてもらったんで、すごく恐縮なんですけど、ステージの上のメンバーから、一緒にPLAYさせてもらってると、すごくエネルギーの波動みたいなものを感じたんですよね。

ーーそして、サマーソニックでのライブにも参加していただきましたね。

千聖:出ましたね!出番が朝でしたね(笑)。あの時はみんなリラックスしてて、大阪行った時も合宿みたいな感じでした。朝ライブして、その後みんなでお風呂入って。

ーー千聖さんもお風呂いったんですね。

千聖:ライブの後、みんなでお風呂入るとは予測してませんでしたね。みんなで背中の流しっこするんじゃないかって勢いでしたもんね(笑)。ああいう経験って、したくてもなかなかできないですから、本当に感謝ですね。前日はみんなでサウナも入りましたし。もうyasuくん、本当にサウナ好きなんだなって思いました(笑)。僕はあんまりサウナに行くタイプじゃないで、ネックレスしたまま入ったら熱くなっちゃってね(笑)。慌ててチェーンを取ったら、”すのこ”みたいになってる床の隙間に入って、熱い中それに悪戦苦闘してました。いい思い出ですね(笑)。

ーー大変でしたね!でも、そういうサウナとかで絆が深くなっていくのもすごく面白いことですね。

千聖:yasuくんの感覚って、面白いですよね。そういうところで、メンバーと色々話をしてた覚えもあるな。あ、あと、そのサマソニの帰りに、新幹線に乗るまでに時間がちょっと空いたからって喫茶店に入って、みんなでパフェを回し食いしたのも覚えてますよ(笑)。なかなかないですよね、そういうの(笑)。

ーー色々な思い出が蘇りますね。

千聖:ABCをやって、良いギタリストと一緒にプレイ出来たのも、僕にとってはすごく良かったです。AKIHIDEくんと一緒にやって、あとで録音した音源を聴いた時、「こんなに上手いギタリストが世の中にいるんだ」って感動したんですよ。「上手いってああいうことをいうんだな」って。とにかくすごかった。決して早弾きとかそういうタイプではないですけど、あれは僕が見たロックギタリストの中で、一番上手いと思います。度胸もあるし。そういうギタリストと一緒にできたのは、すごく良かった。

ーーそして、千聖さんは、客観的にAcid Black Cherryのライブをご覧いただいたこともあると思いますが、客観的に見たABCのライブの印象ってどんな感じですか?

千聖:一番最近で言うと、去年のNHKホールのライブを観ましたね。編成が、SHUSEくんと淳士以外は、僕がやってた時と違って、YUKIやHIROくんになってましたけど、世界観はあのままでしたね。演奏に関してもレベルが高くて。やっぱりハイレベルな戦いをするのは、常にyasuの使命なんだなって思うから、すごく楽しかったです。あとはね、トークが好いですね(笑)。お客さんと目線が近いというか、距離を感じないっていうのが好いですよね。いつまでもあの雰囲気を出せるっていうのがすごいですよ。武道館だろうがライブハウスだろうが、そこに10人しかいなかろうが、何万人いようが、yasuくんには関係ないんでしょうね。後ろのお客さんに対してもきちんと話しかけるし、お母さん世代が来てても平気で下ネタいうし。そういうのは僕、大好きですね(笑)。それと、客席から見てると、周りのお客さんの声も聴こえるんですけど、あの日僕の近くにいたのは、中学生くらいなのかな? こういう音楽に憧れてバンドやり始めたとか、バンドがやりたい少年たちの集まりがいたんですよ。その子たちがね、「yasuはこうでなきゃダメだよ」とか色々言ってるんですよね(笑)。で、「20+∞Century Boys」をやった時、その少年達が絵に描いたように喜んでいてね。「やったーーー!!」って震えてましたよ。それを見て、yasuくんは本当に夢と希望を与えてるんだなって思いました。

ーーでは最後に、この特設サイトを読んでいる皆さんにメッセージをお願いします。

千聖:僕もあれからずっと、ABCの作品が出るたびに聴かせてもらっているんですが、やっぱり初心貫徹というか、yasuくんがやりたい世界観を貫いて、それに対してみんなが反応してるんだろうなって思っています。人間は完璧じゃないから、ダメになったり、弱い自分を見て落ち込むこともあったり、苦しいこともたくさんある。そんな時、支えだったり救いをみんな求めてると思うんですよ。それを、yasuくんは音楽を通して支えてあげてるんだなぁと思います。歌詞を見てもそう感じるし。誰かが辛い時に励ましてくれるっていうのが、ABCの役割なのかも知れないなって思いますね。さっきのライブで「20+∞Century Boys」をやったときの話じゃないけど、少年たちが盛り上がってる姿を見てね、単なる良い曲というのではなく、彼らにとっての「希望」にもなってるんじゃないかな。音楽にはそういう力があって、それをyasuくんはちゃんと出来る人だし、色んな人に力を与えられる人だから、是非皆さん、もっともっとみんなで応援して、さらにABCを盛り上げて欲しいなって思います。僕もみんなと変わらない目線でABC見てると思うし、僕もABCの行く世界を見て行きたいなぁと思ってるので、みんなとともに盛り上がっていこうと思います。