Bass : SHUSE( †яi¢к/La'cryma Christi)

ーーAcid Black Cherryとは、始まりの瞬間を迎える時から、ずっと一緒にいてくださっているSHUSEさん。SHUSEさんにもこの 特別企画でお話を伺っていこうと思います!yasuさんとはもうずいぶん長い付き合いになりますね。

SHUSE: そうですね。僕からするとyasuは、 兄弟で言う弟みたいな感覚。口うるさい弟と、いつも怒られるお兄ちゃん(笑)。

ーお兄ちゃんも結構言うでしょ(笑)?

SHUSE: そうでもないよ(笑)。今はもうほとんど何も話さなくなってるかもね。兄弟よりは、晩年の夫婦みたいな感じでもあんのか な(笑)。話をしてても、いつも同じこと話してる気がする。前にも3回くらいこの話したな~って思うことをまた話してる (笑)。

ーでも、関係性が濃いから、そうなっていくんでしょうね。

SHUSE: 多分お互いにね、お知らせする事件もないんですよ(笑)。昔も別に、仲が良いとは言っても、一年に何回かメシ食いに行っ て、最近はこんなことしてるとかお互いの状況とかを話してる感じだったんでね。ただその時も、俺は基本あんまり喋らず に、ふんふんって聞いてる感じでしたけど。

ーそうなんですね。そして長いお付き合いの中で、このABCでお仕事を一緒に するようになったわけですけど、お仕事の時のyasuさんってSHUSEさんから見 て、違いがあったりします?

SHUSE: そんな大きな違いはないよね。意外に、って言ったら失礼かもしれないけど、意外に気を遣う人なんだなって。悪い意味では なく、すごくそれを無理なくやれるから、僕はずっと、それを素直な彼だって思っていたんですよ。でも、彼が周りに気を 遣っているっていうことにも気づいて。・・・だから僕はよくyasuに怒られるんで すかね(笑)。こっちのほうがおもろいやん!ってやっちゃうとこあるし(笑)。イメージ的にはね、yasuもぶっこんでい くタイプに見えたりすることもあるけど、yasuはきちんとその場面をわきまえてるんですよね。

ーそれでは、ここからはABCの作品についてお伺いしていこうと思うんですが、これまでの3枚のアルバム に関してはどんな印象を持ってます?

SHUSE: これまでの3枚もコンセプトアルバムでしたけど、コンセプトアルバムって言っても、作品に対するサイドストーリー的な感 じで、作品だけでもきちんと成立してる。だから僕は、yasuっていうミュー ジシャンの作品っていうイメージが強いかな。でも、そういうサイドストーリーを作るやりかたって、ABCならではのものに なったんじゃないかな。これを位置づけると、この後また作品をつくるとしたら大変なことになって行くんだろうけど。でも やっぱり、なんらかしら作品をつくる人には、テーマっていうのは必ずあると思うんですよ。良い曲作って並べるだけじゃな くて、そのテーマにアーティストの意思ってものが詰まってる。ABCは、それをファン の人にも分かるように具現化して、作品とともにストーリーを追いかけられるようにしてるから、楽しみが倍になるんだと思 うんですよ。倍どころか、何倍にも膨らんでるだろうね。「なるほど!」って思うことが、たくさんあるもんね。

ーSHUSEさ んはレコーディング前に、yasuさ んからどういうアルバムになるかって話を聞いたりするんですか?

SHUSE: 全然聞かないよ。yasuも 言って来ないし。この関係で「今回のアルバムはね、こんなストーリーでね」とか話し出すのが、なんか恥ずかしいんじゃな い(笑)? そ れは冗談として、参加してるメンバーにも出来てからのお楽しみみたいなところもあるのかもね。

ーこれは皆さんにもお伺いしてるんですが、yasuさんのデモ音源 の印象っていかがでした?

SHUSE: ベースに関して言えば、僕が今回もらったデモは、ベースはほとんどルート(※ルート:それぞれの和 音(=コード)の一番重要な音のこと)が基本で、ちょいちょいメロディアスなフレーズが入ってる感じやったかな。彼の中 でのベーススタイルも変わって来たのか、分かりやすいキャッチーなフレーズっていうよりは、わりと裏のリズムパターンを アクセントととしてるものが入ってたね。前は詰め込んでぶつけてゴージャスな感じだったけど、今回はすごく空間を重視し たような音作りだったように感じたかな。今回はひとつひとつの音の隙間が見えるようなアレンジというかね。あとは、すご くメンバーに任せようっていうのも感じたかな。

ーじゃあ割と、レコーディング中はお任せで進んでいった感じですか?

SHUSE:yasuと話し合いなが らってよりは、「まず弾くから聴いといて」みたいな感じやったよね。で、弾いてるとyasuに「SHUSEさんここは ルートじゃないでしょ」って言われて、「バレた!」ってなったりしたこともあったけど(笑)。俺が攻めすぎて仕掛けると バレるんだよね(笑)。僕は、ポールマッカートニーみたいなベースラインというか、裏メロで流れを作っていきたいタイプ なので、結構使いにくい音をなんとか使ってやろうという野心に燃えたり、変態フレーズを入れて行きたいって思うことが あってね。でも、そこはyasuが うまいことジャッジしてくれるから、自由にできてるってこともあるんだけどね。「SHUSEさん、いくら なんでもそれはないんじゃないですか?」ってところはちゃんと止めてくれるから(笑)。僕としては安心してできる。

ーいつもレコーディングは、そういう感じで進んでいくんですか?

SHUSE: 時期にもよるんだけどね。時間に余裕がある時は、前もってベースラインのアレンジをして、レコーディングの前日とかにyasuと「こんな感じ でひくつもりやけど大丈夫?」なんて話をするかな。そこで「うわぁ~SHUSEさんっぽい わ~」って言われたり、「こっちのほうが良いと思いますよ」みたいなこともあったり。で、それを基本にして現場で調整し たりね。逆に制作進行が立て込んでいるような時は、レコーディングの現場で弾いたものを聴いてもらって、そこでyasuが何か思いつい たことがあったり、要望があれば変えていくみたいな。まあ、でも弾く時は僕もいっぱいいっぱいなんで、一生懸命脇目も振 らずに弾いてますね。その時はyasuの 存在も見えないくらい。yasuは すごく盛り上げてくれるんですけどね。「SHUSEさん、あのフレーズカッコいいっすね!!」とかね(笑)。僕、いっぱい いっぱいだから、なかなかそれに乗ってあげられない時もあるんですけど(笑)。でもそうやってyasuが気を使ってく れるから、厳しい環境じゃないし、やりやすいですよ。

ーSHUSEさ ん、一番最初にレコーディングした時のことって覚えてます?

SHUSE: 「SPELL MAGIC」 が一番最初かな。シークレットツアーもあったから、色んな曲のデモを聴いてたけど、「SPELL MAGIC」 にしろ何にしろ、難しい曲ばっかりやなって思ってた。「Black Cherry」 のデモ聴いて、「俺こんなんできひんわ!」って思ったし(笑)。自分がやってたバンドが遅いテンポの曲しかなかったか ら、まず「速い!」っていうのがあって。「楽園」なんて、最初聴いた時は「速いなー!自分弾かへんからって!!」って 思った(笑)。でも今となってはそう感じないくらいで、「楽園」もライブではどんどん当初のテンポと比べて速くなって いってて。で、段々速くなっていくからさ、この間のツアーでyasuが「皆さん、 「楽園」ってあんな速くないですよ」って言ったくらい。そこでみんな、「え!?」って(笑)。だから、当時は「SPELL MAGIC」 にしても「速いなあ」って思ってたね。でもとりあえず弾き倒したろう!と。そうやって、自分で自分の首を絞めてたのを覚 えてます(笑)。

ーその頃と今で、yasuさんもSHUSEさんで変化し たことってありますか?

SHUSE:yasuは、変わってな いっちゃ変わってないかな。よく俺を受け入れてくれるなって思う。僕が考えていくフレーズにしても、それをいっこずつ受 け入れてくれて。だから、僕の方が変わったかも知れないですね。yasuがどういうのを 求めているのかがわかるようになったのもそうだし。最初はね、雑に言うんですよ。「SHUSEさんのベース でこの曲をかっこ良くしてください」みたいな(笑)。でもね、狙い目がどこかにあってっていうのは分かるようになったよ ね。初期の頃は、俺がやりたいことをやらせてほしいっていうのもあったけど、今は一曲が良い形になれば良いなって思うし ね。

ーそれでは次に、ライブのお話も伺っていきましょう。初めてのABCライブは、シーク レットツアーの大阪でしたね。

SHUSE: 大阪の200人 キャパくらいのライブハウスね。思ったより人が入ってましたね。

ーそうですね!・・・ってそれ、ほとんど我々スタッフです(笑)。

SHUSE: 知ってる(笑)。ほんまのシークレットやから、お客さんとしては実質10人もいなかったくら いだったもんね。

ーそのシークレットツアーのライブ、どうでした?

SHUSE: すごいライブに必死でしたよ。お客さんがたくさんいるとかいないとか、そんなんじゃなくて、真剣に全力でライブやって た。フォーメーションに関してもね、YUKIとかAKIHIDEとかと立ち位置の入れ替わりとかある時に、もっとこうしたほうがえ えんちゃうかとか、狭いステージでもこれくらいの動きはできるだろうとか、まずはステージ側の話ばっかりしてたし。本当 に一生懸命やってました。逆にあのシークレットツアーがあったおかげで、ABCのライブをやるに あたってのベーシックなスタイルが出来た気がする。みんなそれぞれ違うバンドをやってきて、それぞれのバンドのやり方と か持って行き方とかってあったと思うけど、その中でABCのライブの意識の統一が出来たというかね。

ーSHUSEさ んがABCのステージに立つ時に思うことってどんなことでしょう。

SHUSE: 僕は昔からyasuの ライブを見てて、パートは違うけど自分と似たスタイルのヤツがおるなって思ってたんですよ。ライブに対する見せ方という か、目標としてることが近いような感じだったから。だからABCやることになった 時にね、そういう2人がステージにいて、クルクル回ってたらおもろいやろなって思ったんですよね。そういう初心は忘れた くないかな。

ーSHUSEさ ん、リハから全力ですもんね。

SHUSE: まあ、年々全力ではなくなっていってますけど(笑)。

ー切ないこと言わない(笑)。

SHUSE: ちゃんと計算して動かないと明日に響いてしまうからね(笑)。

ーといいつつ、本当にいつも全力なSHUSEさん、すごいと思ってますよ。SHUSEさんはいつもABCのライブの時はス テージにいるから、生で客観的に見る機会がないとは思うんですけど、映像とかでABCのライブをご覧に なってどんな印象をお持ちですか?

SHUSE: 何もかも完璧じゃないかなって思う。もっとこうしたらいいのに、っていうのがないよね。これからも成長するところはある とは思うんですけど、完璧だと思う。エンターテインメントの部分も、楽曲も、オーディエンスとひとつになる部分も、すご く理想的なんじゃないかなって。すごく勉強になりますよね。ある程度は、自然に出来てたところもあるんでしょうけど、で もそんなに狙ってやってるわけじゃなくて、ライブをしていくうちにファンのみんなと一緒に作っていったんでしょうし。そ うやって自然にできることって、どのアーティストにもあることではあるんですけど、ABCに関して言うと、 それのもっとクオリティの高いバージョンというかね。王道の基本パターンというか、基本の軸を守りつつ個性を出すことっ て難しいと思うんですよ。でもそれをやっちゃうyasuってすごいなと。みんなABC見て勉強したらい いのにって思ってたら、みんなABCを 見て、同じことしすぎって感じになってきたのもある(笑)。

ーまた、ライブではABCのファンの皆さんのことも見ると思いますが、TEAM ABCの皆さ んってどんな印象ですか?

SHUSE: 男も多いですよね。それが不思議。不思議って言ったらおかしいかも知れないけど、僕は男の子がたくさんライブに来るよう な、そんな時代に生きてなかったんでね。僕もキッズだったんで、それがすごく嬉しいですよね。ま、僕を見に来たわけじゃ ないとは思いますけど(笑)。ABCの ファンの皆さんは、みんな優しいですね。僕も、みんなが盛り上がるように頑張ってるんですけど、それに素直に応えてくれ るっていう印象がありますね。

ーでは最後に、この特設サイトを読んでいる皆さんにメッセージをお願いします。

SHUSE: 今回のアルバム「Lー エルー」の内容は皆さんの期待通り、いや、期待以上になってると思います。相変わらず攻めてるところは攻めてると思う し。個人的には、キャッチーな部分も攻めてるなって印象もある。なので、アルバムを楽しみにしていただきつつ、しっかり 聴いて、ライブに来てくれる人はライブを楽しみにしてくれたら良いかなって思います。