Guitar : YUKI(DUSTAR-3 / Rayflower) 

ーー特別連載企画「ABCと私」の最後を飾るのは、スーパーギタリスト・YUKIさんです!YUKIさんにもこの企画で、色々とお話を伺いたいと思っておりますが、yasuさんとの付き合いも随分長くなっていますよね。元々出会いってどこだったんですか?

YUKI:出会いは、近所の居酒屋でみんなで飲んだときかな。ライブを観に行ったことはあったかもしれないけど、話したのはその時が最初かも。

ーyasuさんの最初の印象ってどんな感じでした?

YUKI:やっぱ関西人やし、自分をあんまり飾らないというか、すごい自然な人やなっていう印象でしたね。もっと喋りにくいんかな?って思ったけど、全然そんなこともなく。お酒の席だったからかな? ・・・あ!違うわ!一番最初は、僕ん家来たんですよ!

ーえっ?いきなり(笑)?

YUKI:そう!いきなり(笑)。yasuも含めてみんなで飲んでたみたいなんですけど、そのお店から僕の家が近かったこともあって、そのまま僕の家に流れてきて(笑)。狭~い部屋に結構な人数が入ってきてね。その時に初めてyasuとゆっくり話したんですよ。全然飾らないし、こんなに気さくなんやって思いましたね。

ー年齢も実際は学年が一個違って、yasuさんが先輩になるんですけど、お二人の間にはそれをあんま感じないくらい、いい関係になってますよね。

YUKI:話をしてる中で、勝手に同い年かなって思ってたんですよ(笑)。最初は僕も「yasuくん」って呼んでて、yasuも「YUKIくん」って呼んでくれてたんですけど、僕も同じ年だと思っちゃってたし、なんとなく呼び捨てになってタメ口になっていったんですよね。で、それからだいぶ後になって、「あれ?YUKI、一個下なん?」ってyasuが気づいて(笑)。僕も「そうやなぁ」って(笑)。でもね、半年ぐらい同い年ですからね(笑)。好きなことも言い合えるし、ジョークも言い合えるし、もちろんその中にちゃんと、お互いに気を遣ってるところはあると思うし。すごくいい関係かなって思ってますね。

ーそういう深い関係性を築いてくださっているYUKIさんですが、YUKIさんから見たyasuさんってどんな人ですか?

YUKI:これは、ツアーをやっていくにつれて思っていったことではあるんですけど、自分に関わる人たちへの思いやりがすごくある人だなって。仕事をするにあたって、相手に対しての一言一言に、愛があるんですよね。優しいだけじゃなくて、きちんと全体を見た上で「ここはこうして欲しい」っていうこともきちんと言いますし、「頑張っていこう!」って、周りの気持ちを上げてくれることも言ってくれるんですけど、そのひとつひとつに愛がある。
そこは出会った時から、ずっと変わってない気がしますね。yasuのおかげで、自分もこういう気持ちでスタッフに接したいとか、出来たらいいなって思うようになりましたし。そういうところはすごく憧れますね。ほんまに素晴らしい人間やなって。だからみんなyasuについていくんやなって思いますよね。僕らはyasuのために、yasuがイメージした曲を、意思を、楽器で伝える役割ですけど、それ以上に何かもっと愛を持ってそこに向かえるといいますか。
ツアー中もね、楽屋の雰囲気もyasuが作ってくれて、自然と僕らが気を遣わないようにしてくれる。だから僕らも、すごく普段のマイペースでいられるんですよ。ライブが終わった後のサウナで、遠慮なく会話ができるのも、そうやってyasuがみんながマイペースでいられる空間とか雰囲気を作ってくれるからだと思うし。そこで音楽論だったり、ステージの話だったり、「ちょっとここ悩んでるんだけど」とか、本当に些細なことでもフラットに話せるから、それがみんなの絆になってるのもあると思いますしね。

ーさて、ここからはライブの話も伺っていきたいと思っているんですが、YUKIさんはABCのデビュー前のシークレットツアーからご一緒ですよね。あのツアーはいかがでしたか?

YUKI:あれは衝撃的でしたよね。ほんまにシークレットやったっていう(笑)。僕ね、表向きはシークレットやけど、まぁちょいちょいヒントは与えつつやっていくんやろうなぁってイメージやったんですよ。でも参加してみたら、ガチのシークレットなんや!って(笑)。お客さんって言っても、出演者しかおらへんみたいなとこもあったし(笑)。ライブハウスの店長も、気を遣ってもうちょっと情報を出すとかないんかな?ってちょっと思ったこともあったくらい(笑)。本当に誰もABCのことを知らないっていうツアーでしたね。

ーそれくらいシークレットでしたよね(笑)。初日の大阪に向かう時には、いきなり伝説の事件も起きましたね。

YUKI:あれね(笑)。前の日まで自分のライブが3日連続であって、大阪に向かう日は、みんなでワゴンで行くからって、朝の5時に迎えに来てもらう予定だったんですよね。でも僕、完全に寝てて(笑)。ほんで「ドンドンドン!」ってドア叩かれて、yasuが家の中に入ってきて「YUKI!YUKI!行くで!」って(笑)。僕、前日のライブ終わったまま寝ちゃってたから、メイクもしたまま、髪も立ったままでね。あまりの状況にyasuも、「じゃあ先にアッキー(AKIHIDE)呼びに行ってくるから、その間に準備してていいよ」って(笑)。そこから慌てて準備して(笑)。

ーびっくりでしたね(笑)。そんなエピソードから始まったシークレットツアーですが、5曲くらいを毎回演奏してたんですよね。

YUKI:うん。ただ、その時スケジュールがすごいタイトで、リハーサルがあんまりできなくてね。2日間くらいかな? yasuに「YUKI弾いてくれへん?」って誘ってもらって、「5曲くらいやったら大丈夫じゃないかな」って軽はずみなこと言ってて、デモ聴いてみたら・・・結構難しくて(笑)。これはヤバいと(笑)。なので、ツアー先でも練習してましたよ。

ーそして、ツアー先でも伝説のエピソードが生まれましたね。YUKIさんがいなかったら「Greed Greed Greed」のミュージックビデオは出来なかったという、金沢でのあの出来事が(笑)。

YUKI:あー!金沢ね!地元のバンドの人たちが話しかけてきてくれてね。でも、初対面だったら普通、敬語でお話ししますよね? なのにすごいベテランぽいオーラで来たので、下手に出てお話ししてたんですよ。そこにyasuもSHUSEさんも乗っかってきて、みんなその人たちに低姿勢で話してたんです。で、その後のリハで、これ見よがしに弾きまくったっていう(笑)。そっか。「Greed Greed Greed」はあの出来事がモチーフになってるんですね(笑)。

ーそうなんですよ(笑)。そこから現在までに、数々のステージを一緒に経験してきたYUKIさんですが、ABCのステージで心がけることってありますか?

YUKI:ステージングにおいては、みんなと同じかもしれないですけど、ステージを広く使おうというかね。前に出るところだったりとか、間隔だったりとか、「ここは絶対こうしよう」みたいなんは基本的にはないんですけど、誰かおれへんかったらフォローしに行くというか、ステージを無駄なく広く使って、かたまらないようにするのは気をつけますね。ABCのライブで、かなりステージをしっかり見るっていうのが身につきました。あとは、演奏のきっかけだったり、キメのところを意識することで、リズムが見えてくるのかなって思ってるので、そこも意識しますね。あと、ソロプロジェクトだから、普通は歌の人がピンを浴びてたらいいのかな?って思うんですけど、ABCはそういう感じではなく、ステージ全体をどうかっこよくっていうyasuの想いもあるから、そこも汲みながら意識してライブしています。魅せるっていうところも、気にしてるというかね。

ーあと、これも聞いておきたいんですが、YUKIさんは2010年の横浜アリーナのライブ(LIVE Re:birth)で、生でABCを観た事があるじゃないですか? 客観的に観たABCっていかがでした?

YUKI:ステージではイヤモニでしか音を聴いてないんですけど、外のスピーカーで聴くABCは、迫力が全然違くてね。イヤモニの中では「これ聴こえてるかな?」っていう音もあるんですけど、それも結構ガッツリ聴こえてて。ギターのサウンドもすごく良く聴こえて、「ここまでハッキリちゃんと聴こえてるんだ!!」って思いましたね。音の臨場感がすごくて、これはファンの皆さんが泣いちゃうのも分かるなって思いました。あとは、HIROさんどうやって弾くのかな?みたいなところも気になりつつ観てましたね。

ーHIROさんはそれが結構プレッシャーだったって(笑)。

YUKI:あははは(笑)。

ーそして、YUKIさんの隣で同じように観てた淳士さんは、冷静ではいられなかったって言ってました。

YUKI:そうですね。僕も自分の両手をぐっと握りしめてたかも知れないですね(笑)。もしかしたら僕もこのステージに立ってたかもしれへんってずっと思ってたから。でも、こうやって観れるのもなんか貴重な経験やなぁっていうのも思ってました。

ーなかなかないことですもんね、ご自分が参加しているプロジェクトを客観的に観る機会って。では、ABCのファンの皆さんについてもお伺いしたいんですが、ABCのファンの皆さんってどんな印象ですか?

YUKI:地方によっても違うんでしょうけど、割とyasuの強めな言葉が大好きですよね(笑)。

ーそこ(笑)? でも、確かにそうかもしれないですね(笑)。

YUKI:うん(笑)。あとはすごく素直で温かい。yasuのことが大好きな皆さんなのに、僕らが行っても喜んでくれるから、嬉しくなりますよね。で、一体感もあって、お客さん同士が仲良さそうで。

ーa-nationに出演した時も、アウェーの状況でも、ファンの皆さんの一体感にこちらも心を動かされましたしね。

YUKI:あれ、すごかったですよね。みんないっぱい体を使って、こっちを元気にしてくれるというか。その応援が嬉しかったですね。

ーでは、ここからはAcid Black Cherryの作品についてもお伺いしていこうと思います。これまでに3枚のアルバムをリリースしてきたABCですが、YUKIさんはABCのアルバムにどんな印象をお持ちですか?

YUKI:これまでの3枚も、コンセプトアルバムですもんね。一つのテーマに基づいて、シングル曲も含めて全部繋がっているといった印象ですね。

ー今回のアルバムも「エル」という女性の一生を描いたコンセプトアルバムなんですが、レコーディングでギターをお願いされる時に、そのストーリーって聞いてたりするんですか?

YUKI:レコーディングの時はあまり聞かず、基本的には後追いが多いですね。きちんと完成形が出来てから、その全貌を知るというか。前のアルバムとかも、完成した作品を聴いたり、アルバムのツアーリハをやりながら深く理解していったんですよ。

ーそうなんですね。レコーディングの前に、yasuさんのデモを聴くと思うんですが、デモの印象はいかがですか?

YUKI:yasuはデモを作り込んで来てくれるので、リフとかもちゃんと考えられてますよね。ギターをイメージしながら鍵盤でつくってるからこその良さがあるっていうか、ギタリストからでは発生しないだろうなっていうフレーズもあるから、「あぁ、なるほどな」って、聴きながらいつも思ってます。それを僕は再現しようとするんですが、いかんせんキーボードで打ち込んだのギターの音なので、生のギターと印象が違ったりするところも出てくるんです。なので、まずは「yasuは何を伝えたいのかな?」とか「yasuがこう考えたからこういうリフになっているんだろうな」って理解するところから入って行って、「yasuはこういうギターのフレーズを聴きたいんじゃないかな?」っていうのを自分なりに解釈をして、レコーディングに挑んでるって感じですね。

ー色々解釈をしていただいた上で、yasuさんとお話しされたりもするんですか?

YUKI:そうですね。「yasu、デモだとこういう弾き方してたけど、もしかしてこういう感じなのかな?」って聞いて、「あぁ、そうそうそう!」ってなればその方向性で行くし、「いや、違うかな」ってなればまた探って行くし。
だから、yasuとそういうところがバシッと合うと「な!せやろ!」って嬉しくなる(笑)。

ーいいですね!そういうの。

YUKI:楽曲の中で、ギターの良さはココにあるっていうところもyasuは分かってるから、僕もyasuの考えてくるフレーズはすごく理解できるのもあるし。簡単なフレーズではないですけどね(笑)。だから、レコーディングまでに結構な練習量が必要なんですよ(笑)。

ーレコーディングしている最中、yasuさんとお話しすることはあります?というのも、淳士さんと話してて、「最初の頃のyasuは何も言わなかった」って言ってて。

YUKI:あ~、確かに確かに。でもね、ギターに関してはリフとか決めたものがあるから「ここはカッティングでやってくれへん?」とか演奏の指定はちょいちょいありますよ。「こういう風にやってくれへんかな?」みたいな。なんかこれは僕の勝手な想いかもしれないですけど、僕は言いやすい立場でもあるから、多分yasuは僕には「こんなんできる?」とか言ってくれてるのかなって思いますね。

ー初めてABCの音源をレコーディングした時の事って覚えてます?

YUKI:えーとね、「Black Cherry」かな? あの曲も難しかったんですよ。シークレットツアーで演奏してからのレコーディングだったんで、体に入ってたのもありますけど、やっぱりライブやリハーサルでやってるのと、レコーディングでやってるのは細かさが全然違うんでね。あの曲はシャッフルなんですけど、すごくそのリズムに注意して弾きましたね。色々考えていって、「ここ、こうしたらいいかな?」とかyasuのデモに対して話した気もします。最初のレコーディングだったんでね、yasuからそんなオーラを感じたわけじゃないですけど、勝手に「コイツどんだけ出来るのかな?」って見られてるのかなって思ってて(笑)。「ここで俺の行く末が決まんねやろな」ぐらいな緊張感もありました。yasuが僕に思ってる印象って、まぁまぁ弾けるやつみたいな感じやったと思うから、ここでずっこけたらアカンやろなって思ってたし。それと同時に、こんなこともやりたいっていう自分の色も出さないとって。

ー今回のアルバムも含めて、ABCのレコーディングにおいてYUKIさんが気をつけることってどんなところですか?

YUKI:ギターソロなんかは、どういうドラマ仕立てにしようかなとか、次につながるところにうまく架け橋になるフレーズができるかなとか、そういうところをきちんと考えますね。やっぱ、なんかテーマがあって物語がある中で、自分のギターでそれを表現するってところが、自分がギタリストとしてyasuに呼んでもらった意味なのかなって思ってるから、そこを結構考え込んでからギターを弾いてますね。

ーでは最後に、アルバム「Lーエルー」を楽しみにしてくれている、ファンの皆さんにメッセージをお願いします。

YUKI:yasuの想いを僕なりに汲んで、精一杯ギターを弾かせてもらいました。yasuの楽曲の中に、YUKIの分身もいるということで、YUKI節なところも楽しんでいただけたらと思います。ツアーもね、もうすぐですから、ライブも楽しみにしていただけたらと思います!