Media & Music Writer Review

服藤有紀 / FM802 「REDNIQS」ディレクター

香りと曲は、ふとした瞬間に当時の思い出を鮮明に蘇らせたり、
ある人を思い浮かばせたり、思い出の鍵のような役割をする。
一瞬香っただけで、フレーズを聞いただけで、思い出や想いが溢れ出したりするものだ。

Acid Black Cherryのニューアルバム「L-エル-」にも、「鍵」となった
フレーズがたくさんあった。そんなフレーズを、時に切なく、時に官能的に、
時に情熱的に歌い上げるyasuさんの声を聞くと
自分の「愛」の思い出がじわじわ込み上げてきた。
「初めて出来た恋人」「見つけてしまった浮気の証拠」「大泣きした帰り道」
エルのような壮絶な人生経験はなくとも、エルの人生に自分を重ねて
聞いていたのかもしれない。

アルバムを聞いてあなたが思い浮かべるのは、過去の“あの人”か、
現在の“あの子”か、未来の“誰か”か。エルの物語とともに、
自分の「愛」の物語にも思いを巡らせてほしいと思う。
色んな感情とともにより深くアルバムを楽しめるかもしれない。