Media & Music Writer Review

星浩文 / 福島テレビ(フジテレビ系列) 音楽番組「福歌丸」プロデューサー

「コンセプト・アルバム」と聞いて構えることなかれ!どの曲もシングルカット出来そうなほどキャッチーな一方で、確実なテクニックに裏打ちされたサウンドは、まさにABC。yasuの歌声は相変わらず聴くものを虜にする説得力を持っている。要するに、ABCのファンの期待を絶対に裏切らない、安定の4作目である。
「L」という女性を中心に展開されるストーリー性を持った楽曲は、どれも秀逸。王道のハードナンバー②③⑥⑨(特に③のイントロはJanne Da Arc時代の某楽曲を一瞬彷彿とさせてニヤリとした)なんかはライブでは絶対に盛り上がる楽曲だし、④⑤⑫のしっとり感もやはりABC節。yasuのメロディーメイカーとしての才能を存分に感じさせる。⑦の跳ねるようなポップさも良いし、⑬は胸にぐっとくるバラード。
楽曲の解釈は聴く人それぞれだと思うが、まずは、コンセプト云々抜きで、アルバムを通しで聴いてほしい。それぞれの曲の良さに心を掴まれながら、あっという間にABCの世界観に浸かっていくと思う。その上で、ブックレット・歌詞カードを片手に聴いてみると、アルバム全体が訴える何かが見えてくるはず。楽曲作り、というかアルバムという一枚の作品作りの奥深さ、制作者yasuのこだわりを細部に感じ取れた時、嬉しい気持ちになる。間違いなく、ABCの最高傑作だ!!