Media & Music Writer Review

市川まどか / エフエム群馬 報道部アナウンサー

一人の女性“エル”の人生を綴った壮大なストーリー、それは、想像以上に壮絶で悲しいものでした。これまでにも数々のコンセプトアルバムが世に出されてきましたが、これほどまでに、私たちを魅了する世界観を持った作品は無かったように思います。100Pに渡るブックレットを読むことで、アルバムの中の楽曲が、より色彩を帯び、リアリティをもって、訴えかけてくるのです。例えば「黒猫 ~Adult Black Cat~」の妖艶さは、より艶っぽさを増し、キャバレーに漂う煙草の煙や、アルコールの匂いまでもが、曲を通して伝わってくるようでした。
また、今回のアルバムは「愛」がテーマになっていますが、“愛”と“色”が密接に絡み合ったストーリーになっています。“色のない街”で育ったエルは、愛を求めてネオン輝く“色のある街”セラヴィーへ。しかし、最後に彼女を癒したのは、人工的な色ではなく、自然が生み出した “色”でした。それは花の色であり、虹の色。絵画を見るように、この作品は“体感する”作品なのです。