Media & Music Writer Review

影山さゆり / FM山陰 歌手・フリーパーソナリティ

まず、この音源とブックレットを手に取った瞬間、音楽と文学と絵画がひとつになったものがやっとこの世に生まれたんだという感動があった。人は、偶然入った店で、勝手に流れる歌を耳にしながら、ただ徐に時間を埋めるように、手にとった本を読んでいる。そんな中、今回のABCの「L-エル-」という作品は、違うジャンルの芸術が一つにまとまって、そのすべてが「愛」という普遍的なテーマを、ひとつの大きな山を遠回りしながら登るように描かれたもので、持てる時間、運命がこの作品に惹かれてゆく。
多くのアーティストが「愛」を語っていく中で、この作品「L-エル-」が最も「汚れて、悲しく、浅はかで、欲深く、肌寒く、しかし底知れず、暖かく、懐かしい、愛のすべて」を映し出しているように思う。命を懸けて人類が愛を探していくその経過をメロディ、声、ギターフレーズ、ベース、ドラム、絵画、言葉、その全てが、踊りながら私たちに、語りかけてくる。

yasuが創造した「愛」の世界。何面あるのかもわからない鏡の世界で、
あなたの信じる「愛」を
探し出すための迷路にぜひ、足を踏み入れてほしい。