Media & Music Writer Review

菊池陽子 / POTATO『お言葉Death画』 ライター

「女性が女性をこれほどまで生々しく描くことはできないだろうし、美しく切り取ることもないのではないだろうか」というのが、初めて『L-エルー』を聴いたときの率直な感想です。
連載ページ『お言葉Death画』の取材を通じて、yasu様(連載記事の中での呼称です)の奮闘を垣間見る機会が多くあります。常に曲作りに励んでいる印象しかないyasu様ですが、最新アルバム『L-エル-』は、プロジェクト「Shangri-la」の立ち上げから今日に至るまでの日々が創作の源泉となっていると聞き、作品の完成を楽しみにしていました。そしていざフタを開けてみると、そこにはひとりの女性の人生を通して描かれるジェットコースターのような感情のうねりがありました。そのうねりに圧倒され、100ページにわたるコンセプトブックを読み進める手を止めることができませんでした。
アルバム『L-エル-』の世界に触れた人たちが、自身の境遇に置き換えて考えたり、「人を愛すること」に思いを馳せることで、ぐいぐいとAcid Black Cherryの魅力に引き込まれていく。そしてその瞬間だけは、日々の悩みや葛藤から解き放たれてハラハラドキドキしたり、リラックスできたり、エネルギーが満ち溢れて新しい景色を見ることができる。
アルバム『L-エル-』は、読み手やリスナーに新しい体験や気付きをも提供してくれるアルバムなんだと実感しています。